葬儀に関するあれこれ

まずお寺に連絡をし、日時をご相談下さい。その際、友引は考慮しません。

吉凶は人によりて 日によらず(吉田兼好)
因果の道理(原因があって結果があるという考え)を説く仏教において、日の善し悪しはありません。

『臨終のおつとめ』(枕経)

これまでお導き頂いた阿弥陀如来さまへ報恩謝徳の思いからお勤めさせていただくものです。本来は、人生の終わりに臨んで自らお勤めするものですが、多くの場合、本人になり代わって僧侶がご遺族と一緒にお勤めします。

葬儀社の方に連絡し、臨終勤行の荘厳を整えます。ご遺体は仏壇の正面は避け、ご安置します。無理に北枕にする必要はありません。仏壇の打敷は白か銀を用いますが、なければ裏返して白面を表にすることで代用します。花は青木が望ましいです。蝋燭・線香はお勤めの間だけ灯します。

納棺の際には、衣服を正し、お念珠と式章をかけます。浄土真宗は即得往生の教えであり、故人は既にお浄土へ仏としてお生まれになっているとされますので、死出の旅装束をさせることはありません。

『通夜勤行』

葬儀前夜に近親者、知人等が集まり、故人を偲びつつ仏縁に出遇わせていただく場です。僧侶と一緒にお勤めをしましょう。

『葬儀』(告別式とは言いません。)

倶会一処(くえいっしょ) (とも)一処(ひとつところ)(お浄土)で会いましょう。故人と永遠の別れを告げる場所でなく、再会を約束させていただくということです。大切な方の死の縁を通して、阿弥陀如来のお慈悲の中において、故人と自らの繋がりが死で分たれるものでないことを知り、その上で、これからの自らの生き方をあらためて省みる、大切な法縁となる場です。

清め塩は使いません。死は誰でも必ず出会っていかねばならない自然の一部であり、祓うべき穢れではないからです。

お棺を回す、茶碗を割る、斎場の帰り道を変える等の行為は、一切行いません。これらは、故人が迷って戻らぬようにという理由でなされますが、前段でお話しした通り、浄土真宗では死後の旅路は無く、よって迷うこともありません。また一旦成仏された方は、仏のはたらきとなって、遺された私たちに届いて下さっていると考えます。

以上が葬儀までの大まかな流れになります。いざとなったとき右往左往することのないよう、普段からご家族の中でお話ししてみて下さい。ご不明な事があれば、いくらでもお寺に聞いてみて下さい。仏事というのは、無意味な儀礼ではなく、それぞれに意味が込められています。その中には、私たちが人生を歩んでいく中で大切に知っておくべき仏祖の教えが沢山伝えられています。是非、お寺にお参りください。

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